睡眠感を高める授乳の方法は「添え乳」
産後の60%以上の母親は自身の睡眠に何らかの問題を感じており,約30%に睡眠障害が疑われるなど,産褥期において睡眠の分断・不足は大きな問題である
本田(2018)
といった問題が言われていますが、これがまさに子どもが生まれたばかりのお母さん方が置かれる悩みではないでしょうか。
研究の結果、添え乳(上記の画像参照、親が横になり、子どもを横に抱きながら授乳させる方法)が睡眠時間が長くなり、疲れが取れると言われています。
添え乳には横になったまま授乳するという特徴があるので、体の負担が少ないだけでなく、授乳後に入眠しやすいという特徴があります。
入眠までの時間が短くなることにより、睡眠時間が延びて睡眠感が増すことにつながっていくようです。
因みに、赤ちゃんの睡眠リズムは生後3~4か月頃に確立されていくので、それまでお母さん方の睡眠リズムはなかなか整いません。
逆に言えば、3~4か月頑張れば、少し休みやすくなっていくとも言えそうです。
それまでの辛抱と言えば、言い方がよくないかもしれませんが、頑張りどころですよ。
ミルクより直接授乳したほうが睡眠感アップ
ミルクを使う際には、哺乳瓶にミルクを入れる、お湯を入れる、冷ます、温度を確かめ子どもに与えるといったように、何段階も体を動かさないといけないため、体が起きてしまうことにつながります。
体を動かすのは、睡眠感が下がってしまう原因になりますので可能ならば直接授乳がよいでしょう。
そして、研究としても、昼間においても、直接授乳をしている方が睡眠感が良好になると言われています。
しかし、母乳の量によっては、ミルクを使わざるを得ないという方もいらっしゃることでしょう。
その場合には、出来るだけ動かなくていいように、水筒にお湯を入れて枕元に置いておく等の工夫をしておくと体を休めることに繋がっていきそうですね。
添え乳中、気を付けて欲しいこと
添え乳で最も気を付けて欲しいことは、そのまま寝てしまうことです。
これによって、子どもの事故死が発生する場合があります。
赤ちゃんは物を押し返す力が弱いですし、授乳中にお母さんが寝てしまって、そのまま潰されて窒息、ということがあり得ます。
退院後、添え乳をするために、近くで寝ることも出てくるかもしれませんが、大人が近くで寝ることで赤ちゃんを潰してしまうこともありえますので、近くで寝る時はベビーベッドを使うなどの対策をお願いします。
対策についての詳細はこちらの記事に書いています。
おわりに
今回の内容はいかがでしたか。
添え乳に関しては経産婦の方は既に実践したこともあるかもしれませんね。
我が家の子どもを育てるときにも、妻が添え乳をしていたことを覚えています。
子どもを育てるというのはとても大変ですし、経験しないと分からない大変さだと思います。
しかし、子どもが生まれてすぐのお母さんは、体を休める時期ですので、無理はしないようにしながら、できるだけ休んで、これからの生活を頑張っていきましょう。
参考論文
- 授乳が与える褥婦の睡眠への影響(2018)本田 智子、J UOEH(産業医科大学雑誌)40( 2 ): 191-199
- 養育行動が4ヶ月児の睡眠,母親の睡眠と健康に及ぼす影響の検討.(2008)羽山順子,足達淑子,西野紀子,押領司文健, 日本公衆衛生雑誌 55: 693-700
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