大人には大人の考えがあるように、子どもにも子どもの考えがあるのは、お分かりになられていることかと思います。
しかし、そうは言っても、子どもの行動が大人から見てルールから外れているとき、子どもがいくら考えを持っていたとしても、大人としては注意をしないといけません。
さて、そんなとき「人の話を聞かない」子どもや「注意されて怒りが爆発しそう」な子どもに対して、大人はどのように関わったら効果的に話を聞いてもらえるのでしょうか?
今回はスクールカウンセラーの方に聞いた体験談を元に、ご家庭でも使える効果的な対応方法をご紹介します。
大切なポイントは2つ
子どもが何故そうしたのか、理由を訊こうとしても、「子どもが話を聞いてくれず、話が出来ない」という場面に出会ったことがある方は多いのではないでしょうか?
子どもが話を聞けないとき、それは「子どもが話を聞かない」のではなく「子どもが話を聞くことができない状態にある」と考えましょう。
そこで、以下の2点に気を配っていただけるとよいかと思います。
共通すること:子どもが話せる空間をつくる
子どもが話せる空間をつくる上で大切なことは「人、場所、時間」の3つについて考えることです。
子どもによっては、「別の人となら話せる」といった場合があります。
お母さんと話せなくてもお父さんとなら話せる、お父さんと話せなくてもお婆ちゃんになら話せるといった関係があるのではないでしょうか。
その関係が子どもが話やすい空間を考える上でとても大切です。
このように自分一人で難しそうな場合は、他の人の手を借りると良いでしょう。
しかし、どうしても一人で対応せざるをえない時は、「今は話したくないんだね。なら後で話を聞くからね」と、一度子どもに考えを整理する時間を設けてあげるというのも一つの方法です。
その際には、「お風呂の後」「○時になったら」「(お母さん、お父さん等)が帰ってきたら」と具体的な時間と共に伝えるようにしましょう。
また、いつも決まった場所(部屋や車の中、等)で話を聞く習慣があるのならば、いつも話を聞いている場所へ移動することで、話そうという気持ちになりやすいでしょう。
怒りは落ち着かせる
兄弟喧嘩や親子喧嘩など、子どもの怒りが爆発しそうな場面にはまず、怒りを沈めることが最優先事項になります。
(子どもの怒りを落ち着かせることも大切ですが、もし大人が落ち着いていない状況があれば、なおのこと何とかしなければなりません。)
子どもの怒りを落ち着かせるためにも、あえて少しだけ間を開ける「アンガーマネジメント」の考え方を活用しましょう。
具体的な方法としては、「怒りを感じたら6秒待つ」というものがよく挙げられますが、その他の詳細は以下の記事をご覧ください。
具体的な方法
以下は具体的な事例をよくある状況に置き換えたものになります。
無視をしたり、適当な相槌を打って話を聞かないAさんには、他の人の力を借りて
子どもに「〜をしましょう(しなさい)」という指示を出しても、その指示を聞いてくれない事があるかもしれません。
何度言ってもダメ、優しく言ってもダメ、厳しく言ってもダメ。
そんなときは、子どもと信頼関係が出来ている他の人の力を借りましょう。
他の人に「お母さん(お父さん等)の言うこともちゃんと聞かないといけないよ。〇〇の事を思って言ってくれているんだからね」と話してもらうなど、話を聞く事は大切だということを再度認識する場をつくる事で関係が好転する場合があります。
話をしようとしても話せないBさんには、時間を決めて
何かトラブルが起こった後、子どもから話を聞こうとしても、黙ったまま話せない子どもや逃げ出そうとする子どもがいます。
何度聞いてもダメ、逃げ出した場合は追いかけっこになって大変。
そんなときは、時間を作って子どもが落ち着いて話せる空間を用意しましょう。
「〇〇の時に話を聞くからね。私も色々あって忘れちゃうかもしれないから、忘れてたら声をかけてくれたら助かるな」といった言葉をかけてあげると、子どもは考えをまとめる時間ができますし、時間をかけることで落ち着くこともできるようになります。
怒りでわなわな震えているCさんには、ゆっくり質問を
何かトラブルがあったとき、カッとなって今にも「キレて」しまいそうな子どもへは、ゆっくりとした第一声が大切になってきます。
「どうしたの、何があったの?」 といった言葉で十分です。
かける言葉は強い言葉(お前は何をしているんだ!等)は避けて、相手を心配する言葉を使いましょう。
ここでもポイントはゆっくり6秒以上かけて話すこと。
カッとした怒りは6秒かけると落ち着いてくるというアンガーマネジメントの考えを用いて、相手の意識を相手から逸らし、感情が落ち着くようにしてみましょう。
おわりに
今回の内容はいかがだったでしょうか?
子どもと関わる中で話をしないといけない、でも出来ない。
そんな状況がこの記事で少しでも改善できたら幸いです。
相手の話を聞こうとする気持ちをこれからも大切にしてくださいね!
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