【世界基準】「DSM-5」に基づく、ADHDの診断テストと基準を紹介【大人から子どもまで】

初等教育(小学校)

 ADHDという言葉を聞くことはあっても、「自分自身や子どもがADHDなのか分からない」という方は多いのではないでしょうか。
 そこで今回は、世界的な診断基準・診断分類を示している専門書「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」の内容から、ADHDの診断基準についてご紹介します。

ADHD の診断基準(DMS‒5)

 診断の基準は「不注意」や「多動症‒衝動性」によって概ね決まっています。
 「不注意」や「多動症‒衝動性」が続き、自身の機能や発達の妨げとなっているものをADHDと言います。
 以下の内容は「髙橋三郎,大野 裕(監訳):DSM‒5 精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,p58‒59,2014」 より引用した診断基準になります。

不注意

 以下の症状のうち 6 つ(またはそれ以上)が少なくとも 6 カ月持続したことがあり,その程度は発達の水準に不相応で,社会的および学業的/職業的活動に直接,悪影響を及ぼすほどである:
 注:それらの症状は,単なる反抗的行動,挑戦,敵意の表れではなく,課題や指示を理解できないことでもない.青年期後期および成人(17 歳以上)では,少なくとも 5 つ以上の症状が必要である.

  1. 学業,仕事,または他の活動中に,しばしば綿密に注意することができない,または不注意な間違いをする(例:細部を見過ごしたり,見逃してしまう,作業が不正確である).
  2. 課題または遊びの活動中に,しばしば注意を持続することが困難である(例:講義,会話,または長時間の読書に集中し続けることが難しい).
  3. 直接話しかけられたときに,しばしば聞いていないように見える(例:明らかな注意を逸らすものがない状況でさえ,心がどこか他所にあるように見える).
  4. しばしば指示に従えず,学業,用事,職場での義務をやり遂げることができない(例:課題を始めるがすぐに集中できなくなる,また容易に脱線する).
  5. 課題や活動を順序立てることがしばしば困難である(例:一連の課題を遂行することが難しい,資料や持ち物を整理しておくことが難しい,作業が乱雑でまとまりがない,時間の管理が苦手,締め切りを守れない).
  6. 精神的努力の持続を要する課題(例:学業や宿題,青年期後期および成人では報告書の作成,書類に漏れなく記入すること,長い文書を見直すこと)に従事することをしばしば避ける,嫌う,またはいやいや行う.
  7. 課題や活動に必要なもの(例:学校教材,鉛筆,本,道具,財布,鍵,書類,眼鏡,携帯電話)をしばしばなくしてしまう.
  8. しばしば外的な刺激(青年期後期および成人では無関係な考えも含まれる)によってすぐ気が散ってしまう.
  9. しばしば日々の活動(例:用事を足すこと,お使いをすること,青年期後期および成人では,電話を折り返しかけること,お金の支払い,会合の約束を守ること)で忘れっぽい.

多動症および衝動性

 以下の症状のうち 6 つ(またはそれ以上)が少なくとも 6 カ月持続したことがあり,その程度は発達の水準に不相応で社会的および学業的/職業的活動に直接,悪影響を及ぼすほどである.
 注:それらの症状は,単なる反抗的態度,挑戦,敵意などの表れではなく,課題や指示を理解できないことでもない.青年期後期および成人(17 歳以上)では,少なくとも 5 つ以上の症状が必要である.

  1. しばしば手足をそわそわ動かしたりトントン叩いたりする,またはいすの上でもじもじする.
  2. 席についていることが求められる場面でしばしば席を離れる(例:教室,職場,その他の作業場所で,またはそこにとどまることを要求される他の場面で,自分の場所を離れる).
  3. 不適切な状況でしばしば走り回ったり高い所へ登ったりする(注:青年または成人では,落ち着かない感じのみに限られるかもしれない).
  4. 静かに遊んだり余暇活動につくことがしばしばできない.
  5. しばしばじっとしていないまたは“まるでエンジンで動かされているように”行動する(例:レストランや会議に長時間とどまることができないかまたは不快に感じる;他の人達には,落ち着かないとか,一緒にいることが困難と感じられるかもしれない).
  6. しばしばしゃべりすぎる.
  7. しばしば質問が終わる前に出し抜いて答え始めてしまう(例:他の人達の言葉の続きを言ってしまう;会話で自分の番を待つことができない).
  8. しばしば自分の順番を待つことが困難である(例:列に並んでいるとき).
  9. しばしば他人を妨害し,邪魔する(例:会話,ゲーム,または活動に干渉する;相手に聞かずにまたは許可を得ずに他人の物を使い始めるかもしれない;青年または成人では,他人のしていることに口出ししたり,横取りすることがあるかもしれない).

その他

  • 不注意または多動性‒衝動性の症状のうちいくつかが 12 歳になる前から存在していた.
  • 不注意または多動性‒衝動性の症状のうちいくつかが 2 つ以上の状況(例:家庭,学校,職場;友人や親戚といるとき;その活動中)において存在する.
  • これらの症状が,社会的,学業的,または職業的機能を損なわせているまたはその質を低下させているという明確な証拠がある.
  • その症状は,統合失調症,または他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではなく,他の精神疾患(例:気分障害,不安症,解離症,パーソナリティ障害,物質中毒または離脱)ではうまく説明されない.

おわりに 〜ADHDの子どもへの指導法〜

 ADHDという言葉が注目され始め、関心が高い方が多いかと思います。
 その中にはお子さんがご家庭や学校でうまく生活できるようにするにはどうしたら良いかお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
 ADHDの特性をもつ子どもに対しての指導方法については、以下の2つの記事にまとめておりますので、是非ご覧ください。

参考論文・引用書籍

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