はじめに
LD(学習障害)とは、知的発達の遅れは見られないものの、特定の能力に著しい困難を示すものを指します。
普段の様子からはLDと分からず「普通の人」として扱われることにより、生活上の困難を感じてしまうことがあり、中には他者の表情や会話に含まれる言外の意味や、その場の雰囲気などが分からないことで、コミュニケーションの中で傷ついてしまう人もいます。
そんなLDの特性や支援方法について、文部科学省や教育委員会の指針を紹介します。
学習障害の特性とは?(鳥取県教育委員会HPより引用)
(聞く・話す)
- 聞こえていても、言葉の意味を理解することが難しい。
- 自分の言いたいことを表現することが苦手である。
(読む・書く)
- 本読みで同じ行を読んだり、行をとばしたりする。
- 鏡文字になったりする等、形の整った正しい文字を書くことが難しい。
(計算する)
- 繰り上がりや繰り下がりでの計算につまずきやすい。
- 計算はできるが、文章題の意味が読みとれない。
(社会性)
- 周りの様子を感じ取って、自分の行動を調節することができにくい。
- 相手の感情や意図に気づきにくい。
(運動能力)
- かなり不器用だったり、動きがぎこちなかったりする。
- なわとび、ボール運動など協応を要する運動が苦手である。
(注意力)
- 大勢のざわついた環境に弱く、注意集中ができにくい。
- 常に落ち着きがなく動き回ったり、身体の一部を動かしていたり、しゃべり続けたりする。
LDへの支援とは?(鳥取県教育委員会HPより引用)
話すことが困難な子どもには
- 誤りを即座に指摘しないで、子どもが自由に話せる雰囲気をつくる。
- 話す内容や順序・構成などを文字や図で示す。
- 子どもが表現したいと思われる内容をくみ取り、言葉で例示をする。
読むことが困難な子どもには
- 見やすいように文字を大きくしたり、間違えやすい文字にラインをひいたりする。
- 読もうとする行に注目しやすいように他の行をかくす。
- ふりがなをふったり、範読をしたりする。
書くことが困難な子どもには
- なぞり書きからはじめて、徐々に視写できるようにする。
- 文に書きたいことは、まず話すことによって内容を整理し、順に短冊に書いて並べてみる。
- ワープロを活用するなど、書くことへの抵抗感を少なくする。
計算が困難な子どもには
- 数の合成・分解が確実にできるように具体物、半具体物を用いて、数字と対応させる。
- 計算の手順を書いたボードを示す。
- 筆算の場合、マス目を使って桁をそろえる。繰り上がった数字は、書きとめるよう指示する。
- 図や絵を書いて、問題を視覚的に捉えることができるようにする。
行を間違えて読んでしまうへ「リーディングトラッカー」
リーディングトラッカーとは、複数の行があると行をまたがって読んでしまったり、読み間違えたりする人が、一行ずつ読むことができるようにするために、使われる読書補助器具です。
こちら、アマゾン等でも売られていますが、自作した方が安いです。
透明でも、色付きでもよいですが、クリアファイルを適当な大きさに切って、マスキングテープなどで一行分だけをあけるようにして貼れば完成します。
子どもが行を読み飛ばしてしまうのが気になる際には、作成されてみてはいかがでしょうか。
引用・参考サイト
- 鳥取県教育委員会(https://www.pref.tottori.lg.jp/10383.htm)
- 文部科学省(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/008.htm)
コメント