子どもの睡眠時間と肥満リスクの関係
寝るのは、健康に育つ上で欠かすことが出来ないものというのは、皆さんご存知のことでしょう。
当たり前ですね。
成長ホルモンとか、脳の発達とか、聞いたことあります。
ええ、その通りです。
睡眠には、関連して精神や言語能力、適応性や問題行動など、様々な関係があると研究論文に書かれてあります。
そこで今回は数ある中でも、最も身近、かつ子どもの一生に関係する睡眠時間と肥満のリスクについてお話しますね。
先にこちらの引用文をどうぞ。
身体的な面での影響について少し見てみると,約 8000 名(n=8274)の 3 歳児を対象としたコホート研究において,3 歳の時点での総睡眠時間がそれぞれ 9–10 時間の児,8–9 時間の児は,11 時間以上睡眠を取っている児に比べて中学 1 年時点での肥満のリスクがそれぞれ 1.24 倍,1.59 倍であり,幼児期の睡眠時間がその後の肥満と関連することが報告されている(Sekine et al., 2002)。また英国のコホート研究においても,3 歳時の睡眠時間が 10.5 時間未満であることが,幼少時の肥満のリスクの一つであり,幼児期の睡眠不足が,将来的に肥満と関連することが示されている(Reillyet al., 2005)。
岡田(2017)
コホート研究って書いてあるんですけど、これ何ですか?
コホート研究とは、「特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生の関連を調べる観察的研究」(Wikipedia参照)とあります。
今回では、幼少期の睡眠時間が短い人と長い人を10年程度調べてみたら、睡眠時間が短い人が肥満になりやすかった、ということを言っているようですね。
8~9時間睡眠だと、肥満の確率が1.59倍…。
なんだか分かりにくいです。
でしたら、睡眠をとっている人たちは100人中10人が肥満とすると、睡眠が足りない人たちは100人中16人が肥満と考えると少し分かりやすくなるでしょうか。
対して変わらない気がするんですけど…。
それは、肥満について気にしてないからそう感じるんですよ。
1.59倍は無視できないぐらい高い数値です。
睡眠不足の目安になる時間「過去記事へのリンク」
先程の引用にもありましたが、肥満を防ぐには、3歳の時に10時間半を超える睡眠時間を確保することが大切です。
でも、時間が…ってこんな話、前にもしたような気がします。
そういえばそうですね。
0歳~5歳までの子どもの必要な睡眠時間と睡眠時間を確保するための方法を紹介した記事へのリンクを貼っておきましょう。
たしか、この記事では仕事場に相談することや、家事の軽減するサービスについての話をしていたんでしたね。
そして、子どもの肥満の条件について紹介した記事もありましたね。
中には計算方法も書いてあるけれど、
計算が面倒だから、計算機を使おう!
子どもにとって睡眠は健康に成長していくためにとても大切なものです。
子どもの健康のために、ゆっくり休む時間をつくってあげましょう。
同じように、大人も早く寝て、ゆっくりと休むこともまた大切ですよ。
おわりに
今回の内容はいかがだったでしょうか。
睡眠についての課題はとても多く、そしてどれもが生活習慣へと話しが続いていきます。
生活習慣のリズムを変えるためには、まずは大人が行動していかなければなりません。
どうすれば、生活習慣のリズムを整えられるか、そして、子どもを寝かせることができるか、試行錯誤しながら取り組んでみられてくださいね。
参考論文
- 乳幼児の睡眠と発達(2017)、岡田(有竹)清夏、Japanese Psychological Review 2017, Vol. 60, No. 3, 216–229 清夏東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター
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