仮説思考に基づいたこの本、「質の良い仕事を効率よくしたい」ならば、是非読んでみて欲しいですね。
この本を読んで分かること
- 問題の本質を捉える方法
- 質の良い仕事をするためにすべきこと、避けるべきこと
この本のキーワード
- 業務改善
- 仕事の質を上げる
- 仕事の量を減らす
紹介する本
超かみ砕き、解説動画(本質だけをサクッと確認したい方向け)
イシューの概要と計画の立て方
イシューとは
- 2つ以上の集団のいあだで決着のついていない問題
- 根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
目指すのはバリューのある仕事
- 必要なのはイシュー度の高い問題に絞ること「自分が思いついた問題の中で、本当に今答えを出す価値のあるもの」
- それから解の質を上げていく
- イシュー度の高い問題から始める
あれもこれもとがむしゃらにはしない。
イシューから始めるためのアプローチ手順
- イシュードリブン:今本当に答えを出すべき問題、イシューを見極める
- 仮説ドリブン:イシューを解けるところまで小さく砕き、それに基づいてストーリーの流れを整理する。
- 仮説ドリブン:ストーリーを検証するために必要なアウトプットのイメージを描き、分析を設計する。
- アウトプットドリブン:ストーリーの骨格を踏まえつつ、段取りよく検証する。
- メッセージドリブン:根拠と構造を磨きつつ、報告書や論文をまとめる。
このサイクルを一週間から十日に一度のペースで「素早く回し、何回転もさせる」ことが生産性を高めるカギになる。
イシュードリブン「解く」前に「見極める」
良いイシューの3条件
- 本質的な選択肢である…解によって戦略が変わる程の重要性をもつ
- 深い仮説がある…共通性、関連性、グルーピング、ルールの発見から課題を構造化できる
- 答えを出せる…自分の(もしくは現代に存在する)手法で答えを出せる
仮説を立てる
大切なこと:行動する前に仮説を立てる
〇〇の市場規模はどうなっているか?という問に対して、「〇〇の市場規模は縮小しているのではないか?」という仮説を立てることで答えが出せる形になる。
仮説が立てられることによって、どのような情報が必要なのか、何を調べると良いのかが明確になり、得た情報の評価が可能になる。
これは、上司としての立場として部下に指示を出したり、他者に依頼たりする場合でも「市場規模が低下することで、会社の利益が大きく下がる可能性があるか?」「市場規模が低下することで年間で利益に100億円ほどの影響がでるのではないか?」といった仮説を与えたうえで仕事に取り組ませることで無駄な作業が減り、生産性が向上する。
考えるための材料を入手する
大切なこと:材料はざっくりと得る(長期の取組でも、仮説を出すための作業は2、3日)
コツ① 一次情報に触れる
生データにあたり、変化のパターンや特徴を見る。
コツ② 基本情報をスキャンする
世の中の常識・基本的なことを固まりとして、ダブり、もれなく、調べる(スキャンする)。
コツ③ 集めすぎない・知りすぎない
情報は時間をかけて集めるほど、似た様な情報ばかりがあつまり効果的な情報収集が難しくなる。
また、知りすぎるほど、情報頼みになり、自分の視点がゼロに近づき独創性が消失する。
イシュー特定の5つのアプローチ
変数を削る
調べたいことがあるならば、それを絞る。
(例)飲食店の売り上げについて→ハンバーガー屋の売り上げについて
視覚化する
調べることは図やグラフなどで表す
最終形から辿る
最終的に得ていたい形に至るまでに、何の材料があれば良いのかを逆算する。
「だから何?」を繰り替えす
質問を深掘る。
(例)売り上げが下がっている。だから→お客が減っていると思う。だから→お客はメニューに飽きたのでないか?だから→…
極端な事例を考える
通常とは違う思考で、根本的な部分を考える。
(例)営業時間を半分にして、同じ利益を出すためには…。
仮説ドリブン① ストーリーラインづくり
イシューを分解する
分解では、ダブりもモレもない形で、本質的な意味を失わないように分解する必要がある。
その具体的な分類について
- Where…どのような領域を狙うべきか(市場はどこ?)
- What…具体的にはどのような勝ちパターンを築くべきか(どうやって稼ぐ?)
- How…具体的な取り組みをどのように実現していくべきか(具体的にどんな仕組みを作る?)
ストーリーラインを組み立てる
典型的なストーリーの流れ
- 必要な問題意識、前提となる知識の共有
- カギとなるイシュー、サブイシュー(具体的にすること)の明確化
- それぞれのサブイシューについての検討結果
- それらを総合した意味合いの整理
ストーリーラインの2つの型
「Why」の並び立て
・なぜ〇〇が魅力なのか
・なぜ〇〇をすべきなのか
・なぜ〇〇に自分の良さが表れるのか
→重要な要素を「ダブりもモレもなく」選ぶ
空・雨・傘
・空…〇〇が問題だ(課題の確認)
・雨…この問題を解くには、△△を見極めなければならない(課題の深堀り)
・傘…そうだとすると、こうしよう(結論)
仮説ドリブン② ストーリーを絵コンテにする
絵コンテ作りで大切な心構え:「大体に思い切って描く」
どんなデータが取れそうか、ではなく、「どんな分析結果が欲しいのか(どんな結果があれば、実施した内容の検証ができるか)」を起点としてイメージをつくる。
検証軸を整理する
結果を比較したいのか、その中の割合などの構成を知りたいのか、変化を知りたいのか。
知りたいことをどうやって検証するのかを明確にしておく。
原因と結果から軸を考える
分析は「原因側」×「結果側」で表される。
原因側では、「〇〇をするかどうか」「〇〇をする頻度」「〇〇を決まった期間にする量」といった変数を操作する。
これによって、自身の行動がどのように増えたり、減ったりしたのか、それによって自身の行動にどんな変化が起きたかを明確にする。
結果側では、分析の判定基準を明確にしておく。
これによって、「〇〇の値が上昇(減少)した」「〇〇の割合が変化した」といった原因側の行動の変化によって、何が変化するのかを明らかにすることができる。
分析方法を明示する
データを取る上で大切なことは
- 検討内容(何を知りたいか)…実態、評価、反応、変化など
- 調査の役割(定量的か定性的か)
- 調査方法(どうやってデータを取るか)…アンケート(対面、オンライン)、観察など
の3つを明確化しておくこと。
感想
この本で特に大切なのは、上記の内容のように感じ、このような形にまとめました。
以前、「鬼速PDCA」という本を読んだ感想も書いたのですが、素早くPDCAを回す感じや、特にPにあたる計画段階に力を入れている部分には、かなり共通点があるように感じましたね。
ほかの共通点としては、D(実行部分)の部分が細かいところですかね。
この本では、サブイシューという形で紹介されていますが、実際に何をするのかという具体性を求める部分は同じ様に感じました。
この本の面白い部分は、どちらかというと、仮説ドリブンのところのように感じますね。
ひたすらD(実行部分)に力を入れがちになりがちなPDCAサイクルとは違い、ここでは分析結果まで最初からストーリーに組み込んであることで、かなりフレームワーク化が進んでいる様な気がします。
戦略を考えるにしろ、自分で動くにしろ、その結果を元にこれからの計画を立てやすくなるという意味では、かなり使いやすいアイデアのように思いますね。
私もこの本を読みながらではありますが、自分の目標を考えてみたり、どうしたらもっと私の経験や知識を伝えられるかな、と考えております。
いやはや、なかなか難しいのですが、この本に書かれていることをやっていくと少しだけ方向性が見えてきて…。
もしかしたら、そのせいで面白いと感じているのかもしれませんね。
本では分かりやすい図解も描かれておりますので、ブログの情報だけでは不十分という方は是非、本を手にとってご覧ください。
あなたのオススメの本やこの本を読んだ感想等ありましたら、コメントいただけたら嬉しいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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