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【読書記録】「コンサル一年目が学ぶこと」【個人的要点まとめ】

読書記録と要約
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 大石 哲之さん著、「コンサル一年目が学ぶこと」を本日読みましたので、その内容について個人的に大切に思う部分をまとめます。

本書の目的

本書は、社会人一年目からベテランまでのみなさんに、普遍的に役立つスキルを身につけてもらいたい、それも、一過性のものではなく、15年、20年と、生き続けるスキルを身につけてもらいたいと思って書きました。

項目を整理して、30個の重要スキルにまとめ、それぞれの項目について、一般的な解説を加えつつ、取材した元コンサルタントの体験談とわたし自身の体験談を組み合わせて提示するという構成をとりました。
 スキルは4つのカテゴリに分けられ、4章構成になっています。

 本書は社会人の皆さんに、普遍的に役立つスキルの紹介を行っています。
 その内容としては、一つのスキルについて、体験談と組み合わせながらそのスキルの有用性について解説がされています。

本書の4つの項目

 本書は以下の4つの章に分けられています。

第1章は、「話す技術」と称して、おもにコミュニケーション面でのスキルをとりあげています。コミュニケーションの基礎中の基礎でありながら、小手先のテクニックに収まらない普遍的な話を中心にまとめてあります。ファクトで話す、率直に話す、結論から話すなど、他の本でもとりあげられているものも多いかもしれませんが、それはつまり、それだけ重要だということです。とりわけ「期待値」の話は重要です。多くの元コンサルタントが、期待値を超えることの普遍的な重要性について語ってくれました。

第2章は、「思考術」と称して、おもに、論理思考や仮説思考、問題解決といったコンサルティング的なスキルを中心にとりあげ、基礎的な考え方と、それをどのようにさまざまな仕事や場面で生かしていくのか、ということについてまとめています。この章でとりわけ大事なのは、「仮説思考」です。コンサルタントの思考のエッセンスは仮説思考のなかに詰まっており、一度身につければ生涯、色褪せません。元コンサルタントの方の全員が、仮説思考を現在の仕事にフルに生かしています。

第3章は、「デスクワーク術」と称して、テクニック寄りのことをまとめています。議事録の書き方、スライドの基本、効率のよい勉強法、プロジェクトの課題管理方法などです。一年目で学べるテクニックの類はそれこそ無数にあると思いますが、そのなかでも時代を超えて使える武器になるテクニックのみに絞って解説しています。

第4章は、「ビジネスマインド」です。プロフェッショナルとは何か、ということから、コミットメントやフォワローシップ、チームワークなどについてまとめました。必要なスキルというのは、業界や職種によって異なるものもありますが、仕事をするうえでのマインドは、どんな仕事をしていても、普遍的に通用するものです。この章では、一般的な解説を加えることよりも、一年目の具体的な体験を多く引用し、臨場感のある記述を心がけました。

各章で個人的に大切だと思ったこと

第1章 話す技術

相手の期待値を把握する

 一つの仕事に対して、相手が何を期待しているのかを正確に把握することが大切であり、相手が求める100%を提供することが最低ライン。
 ここでいう100%は相手が欲しいと思っていた情報が満足いくレベルまで揃っていることであり、関係ない情報の「おまけ」をつけて価値を上げようとすることではない。
 おまけは、相手が欲しい情報ではないので、無駄な仕事につながっている。

上司の期待値を超える

 報連相の基本として、上司からの仕事の指示の内容を明確に把握することが必要。
 そこで、仕事を受ける時に以下の4つのポイントを確認すること。

  1. その仕事の背景や目的(どうしてこの仕事をするのか)
  2. 具体的な仕事の成果イメージ(どのような量で、どんな内容を含むものが出来上がっていたらいいのか)
  3. クオリティ(顧客用、社内会議用、インプット用などの使用されるレベル)
  4. 優先順位・緊急度(いつまでにすべきか、一部の仕事よりも優先すべきか)

 これにより、上司の期待値を明確にすることで、その期待値を達成していくことが求められる。

第2章 思考術

メモ:ロジックツリーの使い方を練習しておくと、論点が整理され、全体を俯瞰して見るなかで、重点を決めたり、具体的なアクションについて考えることができるようになる。

雲雨傘提案の基本

 雲雨傘提案とは、「黒っぽい雲が出てきたので、雨が降り出しそうだから、傘を持って行った方がいい」という「事実」「解釈」「アクション」を区別する方法の例えになります。
 何かを提案する際には、これら3つをセットにしておくことが大切になります。
 「黒っぽい雲が出ている」だけではただの事実ですが、それを見て「雨が降りそう」という自分の解釈を加え、だから「傘を持っていった方がいい」というアクションを提案することができます。
 このアクションの部分は「雨合羽」になったり「家に居よう」というように変わったりします。

 そこで、文章を書く時には「事実」「自分の解釈」「推奨アクション」の項目を作成しておくと、誰かに提案する際に、効果的な文章を書くことができるようになるでしょう。

第3章 デスクワーク術

議事録の書き方

 議事録で書くべきことをまとめると

  • 日時
  • 場所
  • 参加者
  • 本日のアジェンダ(論点・議題)
  • 決まったこと
  • 決まらなかったこと(次回に持ち越したこと)
  • 確認が必要なこと
  • 次回に向けてのtodo(誰が、いつまでに)

 となり、これらが簡潔に分かりやすくまとめられているものが良い。
 全員の会話を全て記録する必要はない。
 誰かの発言を記録する場合は、補足事項として、キーパーソンの意見や簡単な経緯をまとめるために使う。

空パックをつくる

 最終成果物から逆算して作業内容を考えることで、全体像がイメージできるだけでなく、抜けなく、作業内容を洗い出すことができる。また、それぞれの作業を複数人で受け持つことができるようになる。
 本ブログ記事における、見出しが空パックに当たる。(本記事は、最初に見出しを作成し、その後でそれぞれの中身を記入している)

第4章 ビジネスマインド

スピードと質を両立する

 素早く、汚く。
 完璧でなくてもいいから早く出す。
 これを習慣化していると、大まかな方向性が明らかになり、軌道修正がすぐにできる。

 0点から90点にいく労力と90点から100点にいく労力は同じ。
 100点の完成に近づくにつれて、時間をかけても、精度が上がらなくなっていく。
 それならば、最初の挑戦はいきなり100を目指すのではなく、60点くらいの挑戦をし、そこで大まかな方向性を示すことで、それ以降の作業効率が上がっていく。

 また、これにより、早い段階でリスクに気づくことができる。
 これは、チームで働く上で方向性があっているかを確かめることができる上で、リスク回避につながる。

感想

 読んでみた結果、ブログ作成や仕事のアウトラインの作成に非常に役立つ考えが多い一冊であるように感じた。
 コンサルタントをしている訳ではないが、例えば学校の学級会のまとめを行う際に、議事録の書き方が役立つのではないかと考えたり、雲雨傘の提案の方法によって、議題の選定や決定事項を誰かに伝える際に、他の人に伝わりやすい話し方として学習に活用することができるのではないかと考えたり、と興味深い一冊だった。

 私はもう社会人ではあるが、それでも参考になる部分が多かった。
 もし、この本を大学生の時に読んで、身に着ける練習をしておくと、確かに便利な一冊であるように思える。

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