鬼速PDCA、いい本でしたね。
時々読み直してみると、自分の成長の役に立ちそうです。
そもそもPDCAとは
PDCAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字をとったもので、業務の効率化を目指す方法の1つです。
本書では、「Action」を改善ではなく「調整」という意味で用いられています。
計画した内容を実行し、評価したら内容を調整する、そう聞くと簡単そうですね。
しかし、意識していないと陳腐化や、目的を忘れ、PDCAを回すこと自体が目的になってしまいがちという罠があります。
鬼速でPDCAを回すための要点
P(計画)段階でのポイント
最も力を入れるべき箇所。
漏れなく重複なく分類することが重要。
ステップ1:ゴールを定量化する
- 期日を決める。(理想は、1〜3ヶ月くらいのスパンでいけるものを)
- 具体的な数値で定量化する。(ブログのアクセス月500!)
- 適度に具体的なものにする。(アクセス月1000万!は明らかに無理!具体的ではない!)
ステップ2:現状とのギャップを洗い出す
- ブログアクセスの目標は月500だけれど、今は100…。差は400か。
ステップ3:ギャップを埋める課題を考える
- ゴールから逆算すると自分は何をすべきか。
- この道を進むとしたら何が不足しているのか。
- 前進を加速するために、伸ばせる長所はないか。
- あらかじめ、手を打っておくべきリスクはないか。
- 周りで上手くいっている人はどんな工夫をしているか。
ステップ4:課題を優先度をつけて3つに絞る
- やらないことを決めて、やることは優先付け。
- 基本は3つ「インパクト(効果)」「時間(工数)」「気軽さ」
- 工数 = (一日毎に費やす時間)×(日数)
筆者おすすめ優先度の付け方。
- インパクトが最大の物を一つ選ぶ
- インパクトが多少弱くても、短い時間でできそうな物を選ぶ
- 同列の課題は気軽さを基準に絞り込む(気持ち的に楽にできる方を優先)
ステップ5:課題をKPI化する
- できるだけ頻繁に検証でき、成果が数値に正確に反映されるものが基準
- KPIは目指すべき結果。「〜をしたら…になりたい」の「…」部分がKPI
- 最重要KPIを一つ決め、徹底した意識付けを図る。
ステップ6:KPIを達成するための解決案を考える
- 一つのKPIにつき最低1つ、最大3つの案を考える。
ステップ7:解決案を優先度付けする
- ステップ4と同様
- 最重要KPIは1〜2つ解決案を考える
- それ以外は最低1つ残す
- 同時に4つ程度の課題の解決に当たる
ステップ8:計画を見える化する
- ポスター、リマインダーの活用
D(実行)段階でのポイント
ステップ1:解決案をDOに変換する
- 抽象的な場合、複数のDOが出る(例)体力強化→ジョギング、本で学習、食事、トレーナーと契約
- 具体的な場合、DOとかぶる (例)課題:専門家を雇うべき → DO:専門家を雇う
- 完結型は1回のみのDO (例)仲良くなりたい → 遊びに誘ってみる(完結)1回のみ
- 継続型は複数回のDO (例)仲良くなりたい → 出会ったら挨拶をする(継続)
ステップ2:DOに優先順位をつけ、やることを絞る
- 一つのDOの場合は無条件で行う。
- 複数ある場合はPの分類と同様に「インパクト(効果)」「時間(工数)」「気軽さ」で絞る。
ステップ3:DOを定量化する(KDIを設定する)
- 〜をする、といった0か1かといった判断をするものを設定しない
- 全体の〜%達成といった達成率にしない
- 毎週〜をするといったこまめな行動目標を立てる。
- 完結型ではラップタイムを設定する。(例)本を20冊読む(ラップタイム:週2冊)
- 継続型では毎日振り返りを行い、点数化する。
ステップ4:DOをToDOに落とし込む
- 今すぐ手を付けられるレベルにまで落とし込む
- 継続的かつ、定性的なもの(早口で喋らない等)は毎日チェックを行う
(例)「DO:二ヶ月に一回会食に行く」の場合
- 先方のスケジュールチェック(今日中)
- 店をネットで検索(日付が決まったら)
- 予約の電話をする(日付が決まったら)
- 先方に情報をメールで送る(予約が取れたら)
ステップ5:ToDOの進捗確認をしながら実行に移す
- ToDOの進捗確認は最低でも一日に一回
- 理想は一日数回
C(検証)段階でのポイント
検証ペース
- KGI:ゴールの達成率 1回/月
- KPI:サブゴールの達成率 1回/週
- KDI:行動計画の達成率 複数回/日
できなかった原因を突き止める
KDI
- 十分な時間を欠けたか?
- なぜ時間をかけても未達だったか?or時間をかけられなかったのか?
- 具体的にどうして?(何故そうなった?)
- 具体的にどうして?(何故そうなった?)
- 具体的にどうして?(何故そうなった?)
KPI
- 行動が伴っていなかった(KDIが未達)
- 行動は合っていたが不十分だった(DOの不足)
- 想定していない課題があった(課題が未発見)
- 仮説で立てた因果関係が間違っていた(KPIとKDIの連動性が取れていない)
A(調整)段階でのポイント
ステップ1:検証結果を踏まえた調整案を考える
ケース1 ゴールレベルの調整が必要そうな物
「中止」「変更」「追加」を行う
ケース2 計画の大幅な見直しが迫られる物
ゴールは同じでも課題を入れ替えor追加する場合
ケース3 解決案、DO、ToDOレベルの調整が必要そうなもの
主にKDIの改善案、ToDOの再考
ケース4 調整不要
もう一周、同じ内容で行ってみて、再度検証する
ステップ2:調整案に優先順位をつけ、やることを絞る
- Pの分類と同様に「インパクト(効果)」「時間(工数)」「気軽さ」で絞る。
ステップ3:次のサイクルにつなげる
- 出来るだけ早く次のPまたはDへとつなぐ
うまくいかない理由
- 計画自体が失敗(計画性がない、計画が荒い、計画が無茶)
- タスクレベルにまで落とし込まれていない
- 失敗する事が怖い(まずは行動せよ。失敗すれば、次の課題が見つかる)
鬼速PDCAを図で表すと(筆者ブログより引用)
この解剖図で特記しておきたい点を3つだけ紹介しておこう。
1) PDCAサイクルといっても、実体は「実行サイクル」である点
その実行サイクルの中身を検証するのが「計画」「検証・調整」フェーズであり、そのサイクルを早く回すのが「実行」フェーズである
2) サイクルを一巡するとき必ずしも「調整(A)」から「計画(P)」に戻るわけではない点
次にどこにパスすればいいのかを意識することで、次のPDCAサイクルにいち早く回すことが可能になる(たとえば会議で課題が出たら、次週に持ち越さないでその場で期日を含めたタスク化してしまうなど)。
3) KPIだけはなく行動目標もKDI(Key Do Indicator)として数値化する点
KPIに変化が出るまでにはタイムラグがあるケースが多い。その間、自分がやっていることに自信を持つには(私の造語である)KDIを達成している事実を確認することがきわめて重要である。「結果は変えられなくても行動は変えられる」。本書で度々指摘していることである。
おわりに
本記事には載せていない、各項目の精度を上げるための方法が「鬼速クエスチョン」というコーナーにまとめられているなど、PDCAを行う上で重要なポイントが書かれてありました。
他にも、部下や後輩に対して指導するポイントも書かれてありましたので、この本は買って損はないでしょう。
私はKindleで読んだのですが、後で紙媒体のものも注文しようと思います。
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