【小学校】「考察」を悩まず書ける、理科授業の進め方

初等教育(小学校)

 理科の学習において、子どもが考察を書くことが出来ない、何を書かせたらいいか分からない、という悩みをお持ちの先生方は多いのではないでしょうか。
 そこで、今回は理科の授業研究を進める中で、考察を書くタイミングで、子どもが考察を悩まずに書くことができた授業の手法について紹介します。

 ※本記事の内容は、個人的に通年で理科の授業研究を行った内容になっております。
 他にご自身に合った方法があるかもしれませんので、試してみて、ご自身に合った授業方法を探してみてくださいね。

考察を書く上で最も大切なのは「授業の導入」

 考察を書く、というと「結果と考察の部分での工夫が必要だ」と考えがちですが、実はそうではなく、授業の導入「課題を見つける」部分が最も重要です。

 子ども達が適切に課題を捉えることができているか、それが考察を書かせる際のポイントとなってくるのです。
 仮に児童が「この時間は何を勉強しているのだろう?」と考えてしまった場合、考察で何を書いたら良いのかが分からなくなってしまいますので、本時の学習内容については、学習内容が明確に分かるようにする必要があります。

 私が実践する理科学習の基本的な流れ

課題 まだ分からない疑問点を明確にする
予想 既習の内容や生活経験から自身の予想を立てる
見通し どうすれば疑問を解消できるかの見通しを立てる
めあて 見通しを元にしためあてを立てる(具体策をして、〇〇について調べよう)
(方法) 実験方法を確認する ※補足説明が必要なときだけ
結果 実験・観察を行い、得られた結果について整理する
考察・交流 課題について言えることを、結果の内容を踏まえて表現し、他者と交流することで自身の考えを深める
まとめ 具体策によって見える、一般的な性質についてまとめる
振り返り 本時の学習について自己評価を行う

 教科書では、課題→方法→結果→結論のように書かれているのですが、教科書はあくまで資料としてまとめられていますので、考察を導き出すには情報が足りていません。
 課題とめあてを混同したり、結果と結論を混同したり、考察とまとめを混同したりと色々と捉え違ってしまいがちですので、気をつける必要があります。

 なお、内容が多いため時間配分には注意を払う必要があります。
 特に実験系の場合は2時間続きで時間割を組むなどの工夫をした方がよいでしょう。

 5年生の理科「水溶液の性質」の単元で具体的に見てみると

課題 水にものはどこまでも溶ける?
予想 溶けると思う。なぜなら、料理のとき塩が溶けたから。
   溶けないと思う。なぜなら、コーンスープが溶け残ったことがあるから。
見通し 水に塩をどんどん入れて混ぜる。
    全部溶けるか調べる。
    塩以外も同じように調べる。
めあて 水に溶かしたいものを少しずつ入れて、どこまでも溶けるか調べよう。
方法 水50mLに塩とミョウバンを5gずつ入れていく ※曖昧な言葉を明確化、溶かすものの明示     
結果 塩は15gまで溶けて、ミョウバンは5gまで溶けた
考察・交流 水にものはどこまでもは溶けない。なぜなら、塩もミョウバンも(決まった量で)溶け残ったから。
まとめ 水にものが溶ける量には限りがあり、溶ける量は種類によって変わる。
振り返り 「学習を通して分かったこと」「不思議に思ったこと」「自分の考えで変わったこと」「身近な生活に関連すること」について振り返る

 ここで見て頂きたいポイントは、「どこ」と「どこ」が対応しているかです。

 「課題」に対して「考察」が対応しており、「めあて」に対して「まとめ」が対応しています。
 板書量が多少増えてしまいますが、それぞれが対応していることで、授業パターンが組みやすくなっています。

手が止まっている書けない子への発問

 手が止まっている子が書けない理由はいくつかありますが、最も多いのは「どのように書いたらいいか分からない」というものです。
 そこで、私は以下のように対応しています。

1,課題を読み上げ、学習内容の確認と結果の確認を行う
2,結果から言えることを確認する
3,ノートに書くように促す

具体的な発問では以下のようになります

T「水にものはどこまでもとけるの?」(課題を読み上げ、結果の確認を行う)
S「とけない」
T「なるほど、とけないんだね。どうしてそう言えるの?」(結果から言えることを確認する)
S「だって、塩もミョウバンもとけなかったから」
T「おお!なるほどね。じゃあ、その通りにノートに書いてみよう。まずは、ノートにとけないって書いて、なぜなら、と続けて書いてみようか」(ノートを書くように促しつつ、書き方を明示する)

おわりに

 本記事はいかがだったでしょうか。
 課題を明確にしつつ、授業を展開していくことで、子どもが自ら考えたことを表現できるようになっていきます。

 最初は自分自身で書くことができない要支援の児童も、特別支援学級の児童も、課題を確認しながら意見を引き出してあげることを繰り返していくと、書くことができるようになっていきます。
 全体に「低学年の子に聞かれたら、どう答える?」と難しい言葉を使わずに書いてみるように話をしてもよいですし、「〇と△を比べると、という言葉を使って書いてみよう」といったように、書き方を指定しても良いです。

 授業の在り方は人の数ほどありますので、ご自身に合った方法をこれからも研究していってくださいね。
 理科の授業で悩む方が一人でも減ることを願っております。

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