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【小学校プログラミング教育】「hour of code」を用いた教育指導例(プログラミング学習導入段階の指導例のyoutube動画あり)

プログラミング
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 私は小学校では理科専科と兼ねつつ、プログラミング専科として働く機会がありました。
 そこで、今回は経験を元に、子どもにどのようにしてプログラミングを教えていくのか、無料で使える「hour of code」を例にその具体的な方法について紹介します。

プログラミング学習の導入における指導内容

 プログラミング教育は必ずしもPCを使う物ではありませんが、学習指導要領総則編においても「プログラミングを体験しながらコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」を行うことが明記されています。

 本教材「hour of code」を活用する良さとしては、パソコンの操作にあまり慣れていない子どもでも十分にPCを操作し、プログラミングを行っていくことができることが挙げられます。
 しかし、「hour of code」を用いるだけでプログラミングの学習を終了するのでは望ましくないでしょう。

 総合的な学習の時間で用いる場合は、学習前後の子どもの変容が評価項目にありますので、プログラミング学習の前と後でその変化を見とることができるような手立てを考えておく必要があるでしょう。
(特にプログラミングの学習は個人的な活動の時間が長くなる傾向にあるため)
 共同の学びを想定するのであれば、学校紹介のプログラムの作成などが考えられますが、複数人で別々の機能を作り、作成したデータを合体させるという作業が「Scratch(スクラッチ)」などでは難しいという課題もあります。

 そこで、「hour of code」は低学年との交流会やお楽しみ会などを企画し、他の人が楽しめるようなゲーム等のプログラムを作るという目標を持たせた上で、その完成を目指すあくまで一つの過程、プログラミング学習の基礎操作を学ぶ段階で用いるのが良いのではないかと考えています。
 そして、活動前後でプログラミング的思考がどのように変化したかや、発表の順番を意識して発表できているか、相手に伝わりやすい発表を考えてできているか等ついて評価していくのがよいのではないでしょうか。

プログラムとは何か、プログラミングとは何か、の説明

 プログラミングについては、wikiペディアによると「コンピュータプログラムとは、コンピュータに対する命令を記述したものである」とあります。
 このようにコンピュータに視点を当てた意味もありますが、一方で言葉上では「予定の計画表。催物などの実行計画。その予定・順序・番組・配役などを書いた紙」といった意味もあります。

 そこで、プログラムについて子どもたちに説明する際には、運動会やお楽しみ会等のプログラムを例に「運動会のプログラムもやることが順番に並んでいるよね。コンピュータも同じように、やることが書いていて、それをプログラムと言うんですよ」というような説明をしていくといいと思います。

 そして、プログラミングとはプログラムを作ることを指します。
 子どもたちに説明する際には、「コンピュータが分かるように、することを順番に書いていくことをプログラミングと言います。お楽しみ会のプログラムを作ることもプログラミングの考え方を使っているんですよ」と紹介するのも良いかもしれないですね。

作成したプログラムでしたいことの明確化

 導入段階では、プログラムやプログラミングについて紹介した後、作成するものが決まっているときは、ここで紹介しておくと子どもの学習の見通しが立ちますね。
 その目標を達成するためには、プログラミングの練習をする必要があるとを感じさせると、これからの学習が意義を持ってきます。
 もし、ここで何かを作成する必要がない場合(例えば本年度はPCでのプログラミングは親しませるだけに済ませて、来年度しっかりと始めたい場合等)は、来年度は向けての紹介という位置付けで学級活動の時間などに取り組む方法が考えられます。

プログラムの作成練習

 「hour of code」を用いてプログラミングの練習を行う際に注意すべき点が1つあります。
 それは、それぞれ難易度が異なることです。
 最初に行うものとして、私が最もお勧めするのは↓のサムネイル画像が使われている「初めてのコンピュータープログラムを書く」というものです(画像を押したら該当ページが開きます)。

 この中にはマインクラフトもあるので、子どもたちはそれをしたがりますが、上記内容を行った後で取り組む方が望ましいですね。
 子どもに自由にさせてもよいのですが、最初は画面の見方や操作方法について紹介することが必要になるでしょう。

次回、解決すべき課題の確認

 学習の最後には、次回の学習に繋がるような発問をしましょう。
 作る物が決まっている場合は、「どんなこと(動き)ができるようになる必要があるでしょうか」→「では次回は、○○についてどのようにプログラミングしていったらいいか調べていきましょう」とすることで、次時の目標が明確になりますね。


 学習の最後に、本時にできるようになったことや、どんなことをしないといけないと思うのかを感想用紙などに書かせることで、学習が積み重なっていきます。
 これが積み重なっていると、評価の際に活用することができそうですね。
 そのためにも「楽しかった」「難しかった」といった感想だけにならないよう、感想の書き方を工夫していきましょう。

指導の具体例(youtubeへのリンクあり)

 模擬授業的にどのような流れで行うかを動画にしてみました。
 動画内でも用意している子どもの活動の時間、教員は机間巡視をし子どものサポートをし、最後には感想を書く時間を設けるとよいでしょう。

おわりに:動画内で使用したスライドのPDFと本時の学習プリントはこちら

 今回の内容はいかがだったでしょうか。
 プログラミング教育について、どのようにしていったら分からないという方へこれからも適宜記事を追加していきますので、是非ごらんいただけたらと思います。
 プログラミングに自身がない方も、教えることができる力を身につけていきましょう。

 以下に感想を書かせるための簡単なワークシート及び、学習スライドのPDFファイルを添付しておりますので、ご自由にダウンロードしてご利用ください

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