千葉県浦安市の保育から学ぶ、0歳、1歳のごっこ遊び
前回の記事では、イヤイヤ期を軽減するためには、子どもと遊ぶことや、言葉の発達を促すことが大切だということを、海外の研究から紹介しました。
その中にごっこ遊びやおままごとについて触れていましたが、おままごとは2歳以降というイメージがあるかもしれません。
今回は、「じゃあ、0歳や1歳からのごっこ遊びはどうしたら良いの?」という疑問に、千葉県浦安市の保育の現場で行われているごっこ遊びの方法を基に、お答えしようと思います。
↓今回の内容
- 0歳児は親とのふれあい遊び
- 1歳児はつもり遊び
- ごっこ遊びの効果
0歳児は親とのふれあい遊び
0歳の子はごっこ遊びはまだできませんので、親とのやりとりを基本とした、 ふれあい遊びを大切にしていきます。
この時期にできるようになっていく遊びの例としては 「むすんで ひらいて」「げんこつ山のたぬきさん」などがあります。
0歳の子どもは最初から遊びができるわけではありません。
ですので、お家の方の歌声や、身振り手振りに合わせてお家の方と一緒に体を揺らしたり、一緒に拍手などしたりして楽しむという方法が考えられます。
次に1歳前後になると、親のマネをすることが増えてきますので、ごっこ遊びができるようになっていきます。
こちらは、先ほどより少し進歩して、保育者の歌声や、身振り手振りに合わせて自分で体を揺らしたり、動きをマネしてみたりするといった活動になります。
これらのふれあい遊びの時に大切なのは、子どもの甘えたい、という気持ちを十分に受け止めてあげることです。
「親子の1対1の関わりを大切にする」その考えから生まれる安心感に基づいた、抱っこや手遊び、ふれあい遊びが、ごっこ遊びに大切な「周りの人をよく見ようとする力」の成長に繋がっていきます。
1歳児はつもり遊び
1歳(特に1歳の後半)のつもり遊びでは、いわゆる「おままごと」が始まります。
エプロンや三角巾を着けて、食べ物を食べる真似をしたり、料理を作るマネをしたり、はたまた、人形をおんぶしたり、抱っこしたりと、みなさんがイメージするおままごとの姿に近いのではないでしょうか。
おままごとは子どものつぶやきや言葉を受け止め、 遊びのイメージが膨らむように相手をする大人も役になりきって、一緒に楽しむといった関わりが大切だと言われています。
また、「いれて」「かして」「どうぞ」「おいしいね」など言葉のやり取りをしながら楽しむことで、会話能力や相手意識を育てることができるようです。
ごっこ遊びの効果
「幼児は、仲間との集団遊び、とりわけごっこ遊びの中で、実際の愛他行動を数多く体験するとともに、他者とのコミュニケーションや他者の視点に立つことの積み重ねを通して、愛他性の基となる役割取得能力や共感性を発達させているのではないかと推察される。」 (石橋.1999)とあります。
これは、他の人のことを大切にするという行動を経験させることで、相手を思いやる気持ちが育っていくと思われる、という説明です。
さらに、ごっこ遊びの良い点として、前回の記事の冒頭にも記載していましたが、イヤイヤ期だけでなく、さらに先にある反抗期を軽減することができるという報告もあります。
相手を意識した行動や会話がとても大切なのですね。
おわりに
今回の記事はいかがだったでしょうか。
小さい頃のごっこ遊びと言えども、とても大切な内容を含んでいることが分かりますね。
0歳からでもできることとして、子どもの甘えたい、という気持ちを十分に受け止めて、一緒に体を揺らしたり、一緒に拍手などしたりして楽しむ。
そんな活動から子育てに取り入れられてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 千葉県浦安市公式ホームページ、就学前「保育・教育」指針
- 明神もと子、2005「幼児のごっこ遊びの想像力について」北海道教育大学釧路校研究紀要、 第37号:143-150
- 石橋尚子、1999:「幼児の愛他心の発達におよぼすごっこ遊びの効果」 社会研究5号 21-28
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