子育てにスマホを使ってはダメ?子どもへの影響は?
スマホ(スマートフォン)が日本で発売されて約11年。
今や私たちの生活と切っても切れない関係になっているスマホですが、スマホ依存などの問題が明らかとなり、育児に使うことは問題と捉える人が多いことは事実です。
しかし、スマホは親にとっては手放せない便利ツールであり、子どもにとってはスマホは遊びや学びのツールであるのもまた事実です。
そこで今回は、親が使う場合と子どもが使う場合、それぞれの立場から見たスマホのメリットとデメリットについて紹介します。
↓今回の内容
- 子どもが使うメリット・デメリット
- 大人が使うメリット・デメリット
- 依存症に気をつけて
子どもが使うメリット・デメリット
メリット
- 歌や踊りと触れる機会が増える。
- 知識が豊かになる。
- アルファベットなども曲と一緒に楽しく覚えようとする。
デメリット
- 目や体に悪い。
- 夢中になりすぎる。
- 長時間の使用が続く。
スマホを使う人は特に、自分ではなかなかできない踊りや、英語など、日常ではできない体験や知識を身につけさせるために使う人が多いようですね。
0歳〜6歳の子をもつ、約3400人を調査したベネッセの研究結果によると、スマホを見たり、使い始めた年齢2歳が最も多く、次いで1歳が多いそうです。
気をつけたいのは、最初は写真を見せることから始まる使用方法ですが、年齢が低いほど、使用頻度が高くなる点ですね。
かく言う私の3歳の娘も、「写真撮って」「写真見たい」と私に言ってきたり、妻に「〇〇(ゲームの名前)したい」と言ったりとスマホを使いたいとよく言ってきます。
私が子どもにスマホに触らせる際に特に気をつけているのは、ルールを決めて使うことですね。
これは、教員をしていていると分かるのですが、スマホやゲームを長時間している子どもの中には、日常の会話もスマホやゲームが主体となり、他の会話がほとんど見られない子がいます。
それにより、限られた人間関係しか構築することができない、というデメリットが存在するのではないか、と考えています。
なので、ルールを決めないスマホやゲームの使用はやめましょう。
大人が使うメリット・デメリット
メリット
- 寝かしつけの負担軽減。
- お金がかからず、手軽
- 一緒に使うことで親子のコミュニケーションが増す。
- 予防接種などの日程などの情報管理がしやすい。
- 母親同士の交流もできる。
デメリット
- 子どもの言葉を聞き逃すなど、コミュニケーションの減少
スマホを親が使うことについては、私は賛成の立場です。
確かに、子どもが話しかけているのに、SNSや動画を見ていて聞き逃がすのは良くないことだと思います。
しかし、子どもを長時間抱っこして寝かしつけたり、子どもをお腹の上に乗せて寝かしつけたり、まともに動くことができない時間がどうしてもあります。
そんな時間に使うのは、「全然あり」だと思います。
さらに、SNSなどで母親同士の交流や悩み相談などをすることによって、母親のストレスが低減することも分かっていますので、隙間時間に使うのは良いのではないでしょうか。
おわりに、依存症に気をつけて
「育児中にスマホを触るなんて…」と言う人は確かにいます。
しかし、今は便利な物は使う時代です。
「育児にミルクを使うなんて…」「育児に紙おむつを使うなんて…」「育児にインスタントの離乳食を使うなんて…」「育児中にテレビを見るなんて…」
人間の歴史として、新しい物は悪いと思い込んでいる人がいることは事実ですが、きっとこれから先の未来にはAIや子守ロボットなんてものも出てくるのではないでしょうか。
そして、そんな時になったら「スマホは良いところもあることが分かっているからいいけど、ロボットなんて…」と言い出す人が必ずいます。
大切なのは、親がそのメリットとデメリットを理解した上で使うこと。
子どもに判断させるのではなく、ルールを決めるなどして、正しい使い方を子どもに教えていきましょうね。
特に気をつけて欲しいのは、乳幼児のスマホ依存傾向にある子どもは2歳の時点で13%を超えるという結果です。
この高い数字の背景には、親のスマホ依存があるようです。
スマホ依存は、健康に悪影響を及ぼしますので、皆さんも使いすぎていないか振り返り、使用には十分にお気をつけ下さい。
参考論文
- 「育児と ICT―乳幼児のスマホ依存、育児中のデジタル機器利用、育児ストレス」東京大学大学院情報学環情報学研究. 調査研究編、35:53−103(2019)橋元良明、久保隅綾、大野志郎
- 「スマートフォンを用いた育児の実態」北海道教育大学紀要、教育科学編、70(1):275−282(2019)岡本千晴、岡田みゆき
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