この記事では、西永 堅 著「子どもの発達障害と支援のしかたがわかる本」を読んで学んだ、発達障害の種類や定義、まとめています。
発達障害の定義
発達障害者支援法第二条によると、
「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
と定義されています。
発達障害というと単に成長が遅いだけと誤解されがちなのですが、じつは脳機能の障害なのです。
発達障害は以前は知能障害と一緒にまとめられていたのですが、この法律によって、区別されるようになってきました。
発達障害は脳機能の障害により、子どもの発達が周囲の子と比べ遅れてしまう障害をさしています。
しかし、「発達障害」という名称は、あくまでも政府や行政、研究者のために作られた定義です。
子どもが「発達障害」と診断されたとしても、その「発達障害」中には様々な特性があり、個人によってその症状の程度も異なってきます。
そのため、障害の名前にこだわるのではなく、その子なりの発達を見て、その子が成長していくことができるように支援を行っていくことが大切です。
発達障害は増えている?
学校現場において、2007年に特別な支援を利用している子どもの割合は2.01%でしたが、2014年では3.33%の子どもが特別な支援を利用しているなど、発達障害を持つ人は増えています。
その原因として、発達障害が広く知られるようになり、特別な支援が必要と判断されるハードルが下がったために数が増えたと捉えることもできます。
また、医療の発達によって、低体重で生まれてくる子どもたちが生きることができるようになってきたために、生まれてからの年月が周りの子と同じでも発達に遅れが生じやすくなった、という背景もあるでしょう。
低体重で生まれてきた子どもは、発達障害を抱える可能性が高いという研究報告(Ehrenkranz RA, et al. Pediatrcs 104: 280-289. 1999)も有名です。
上記の理由から「発達障害を持つ子が生まれやすくなった」そして、「発達障害と認定されやすくなった」ことから、全体的に見て発達障害の子どもが増えているという状況が生まれているのです。
この記事の参考になった書籍や資料を見てみる
より詳しいデータや内容を知りたい方は以下のリンクからどうぞ
- 子どもの発達障害と支援のしかたがわかる本、西永 堅、2017
- 低出生体重児 保健指導マニュアル
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