いじめの起きる原因って? いじめをしない子どもを育てるためには?

初等教育(小学校)

6/8は「学校の安全確保・安全管理の日」

 学校でのけがやいじめの問題などについて、例年ニュースで扱われています。
 その中でも、いじめを苦にした自殺といった問題は、例年大きな反響と共にニュースで報じられていますね。
 そこで今日は、いじめをする子どもが生まれる原因について少し話をしていこうと思います。

いじめの起きる原因って? ポイントは小さな頃の「自尊感情」

※自尊感情とは、「自分自身による自己に対する肯定的評価」と言われています。具体的にいうと、自分は大切な存在と感じることができる、自分を認めることができる気持ちを表します。

アメオ
アメオ

いじめ問題は無くならないですね…。

水降
水降

そうですね…。
人がいる限り無くならない問題かもしれませんけれど、しかし、何とかしたいものです。

アメオ
アメオ

いじめをする人って何でいじめをするんでしょうね。

水降
水降

最初は憂さ晴らしというか、自分のイライラを他の人に向けるころで発散するところから始まっていくようです。
それが、自分の自尊感情を下げていくことに繋がって悪循環を生んでいくようです。

アメオ
アメオ

何故、相手を傷つけた方の自尊感情が下がるんですか?

水降
水降

相手を傷つけたら周りに叱られたり、ダメと言われることが原因でしょうね。
言われることによって、「自分が悪い=自分の価値が下がる」、ということでしょう。

アメオ
アメオ

なるほど、でも悪いことは悪いですからね。

水降
水降

ええ、それをそのままにしていてはいけません。
とはいえ、子どもの良さや長所を見つけてあげることもまた、教育には大切です。

水降
水降

子どもの自尊感情を高めるためには、誰かに認めてもらうという経験が大切ですからね。
それが親であることもあれば、友だちであるかもしれないし、先生かもしれない。
その子にとって、認めてもらいたい人に認めてもらえるようにしていきたいですね。

アメオ
アメオ

確かに、誰かとの出会いが人生を変えるなんて話もよく聞きますからね。

水降
水降

私も、そんな人でありたいものです。
そのためには、まずは自分を、そして家族を素直に認めていきたいですね。

 いじめの被害者は自尊感情が低く情緒不安定な特徴を有するが, それに加害経験が加わるとより一層, 自尊感情(とくに人間関係における自己肯定感)は低くなることが示唆された。

2017伊藤

いじめをしない子どもを育てるためには?

アメオ
アメオ

いじめをしない子どもを育てる、というとさっきの自尊感情の話に繋がりそうですね。

水降
水降

ええ、確かに最終的にはそこに繋がるのですが、それまでに気を付けておかないといけないことがあります。
それは、人をからかったりしたことがある子どもは、年齢が高くなるにつれて、人を面白がってからかう可能性が上がるということです。

アメオ
アメオ

ああ、遊びのつもりだった、とかいうやつですね。

水降
水降

ええ、しかし、された側はたまったものではありません。
それによって、心に傷を負う人も少なくないのですから。

アメオ
アメオ

要するに、「からかい」がイジメのスタートになるのですね。

水降
水降

そうですね。
ですので、子どもの頃から相手をからかうことについては、「相手が嫌な気持ちになる」ということを理解させ、行動を減らしていくことが大切になるでしょう。

アメオ
アメオ

でも、からかいに慣れさせておくというのも一つの手ではないんですか?

水降
水降

私自身の考えとしては、相手を嫌な気持ちにさせる行動を良しとしておく方がどうかと思います。
一言にからかいや冗談と言っても、誰しもが楽しめる冗談と、誰かが嫌な気持ちになる冗談では全く違いますしね。

また, クラスメートをからかうことを「悪くない」「おもしろい」と認知するものの割合は, 年齢とともに多くなること, その傾向は, とくにいじめ加害経験を有するものに多いこともわかった。いじめによる不登校や希死念慮は, ネット上のいじめ・集団無視・金品たかりといういじめでとくに強く経験される。またこれらの辛さは, 加害経験がなくいじめ被害のみのものに強く, 仕返し願望は, いじめ加害経験者により強い。

2017伊藤

おわりに

 今回の内容はいかがだったでしょうか。
 いじめや不登校、自殺といった話は例年事欠きません。
 その根底には、子どもの頃、誰かを傷つけることに慣れていた人が、大人になっても誰かを傷つけている姿が関係しているのかもしれません。
 子どもは身近な大人の姿を見て育つと言います。
 もし、その大人が誰かの悪口を言っていては、子どももまた悪口を言うようになっていきます。
 そして、残念なことに現代は悪口に触れやすい時代です。
 テレビ、SNS、動画サイト、様々なところで悪口に触れる機会が沢山あります。
 なので、親御さんに大切にして欲しいことは、「その言葉を使うことで傷つく人がいる」という事実を子どもに理解させることです。
 何気ないからかいを見逃さないように気をつけてくださいね。

参考論文

  • いじめる・いじめられる経験の背景要因に関する基礎的研究—自尊感情に着目して—2017年、伊藤 美奈子、教育心理学研究65 巻 1 号 p. 26-36

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