子どもが不登校になる原因には様々なものがあります。
下の図は古い文部科学省が公表している、不登校となった原因の図。
原因として最も大きいものは、学校生活が原因ということが分かりますね。
では、学校生活を送る上で、特に何が原因となるのでしょうか?
今回は学校生活上での不登校になってしまう原因について見ていきましょう。
学年別不登校の数から考える、不登校の原因
上記の図は文部科学省が公表している不登校児童生徒数を表す図になります。
不登校は小学校1年生から始まり、1つ学年が上がるたびに増えていっています。
しかし、増え方を見てみると、小学校3〜4年生に上がる際には約3000人、4〜5年生、5〜6年生には、約4000人と徐々に不登校になる子ども数が増えていくのです。
このことから、子どもが成長するにつれて不登校が増えることが分かります。
子どもの成長に伴って大きなストレスになるものとして、学校では以下の2つが挙げられるのではないでしょうか。
- 勉強が難しくなっていくこと
- 友達関係が複雑になっていくこと
これらを解消していくことが不登校を防ぐ上で大切になっていきます。
では、どうやって解消していったらよいのでしょうか?
勉強の苦手を解消すること
学校では5時間、6時間と子どもたちは学習をしていきます。
その中で勉強が分からない、ということが積み重なっていくと、勉強の時間が苦痛になっていきますね。
子どもが学習が分からない原因は、大きく2種類が考えられます。
- 勉強時間や勉強回数の不足
- 子どもの発達の課題
これら2つが大きな原因となっているでしょう。
勉強時間や勉強回数の不足
毎年、学校から家庭学習に関するプリントが配布されていると思いますが、「学年×10分」を最低ラインとして毎日の家庭学習が必要です。
私が以前勤めていた学校では「30分 + 学年×10分」をしましょう、と案内していました。
特に算数は繰り返して練習することが必要になってくる教科です。
時間は取っていても、練習回数が少ないと解き方を忘れてしまうことがあります。
そこで、対策として、以下のような物が考えられます。
- ノートやプリントを使って反復練習を行う
- 家庭学習用の教材を使う
- 家庭教師・塾に行く
- 動画などで復習する
ノートを使って反復練習を行う際には、教科書の問題を写して解くことが良いでしょう。
練習問題などは、教科書自体に答えが載っているページがありますので、教材を買わなくても家庭で学習することができます。
教材を使うならば、教科書の進度にあったものがよいでしょう。
無料でおためしできる教材を使うというのも一つの方法です。
無料で使える動画やプリントについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
子どもの発達の課題
子どもは4月生まれ〜3月生まれと、一つの学年でも発達の違いがあります。
周りにとってはできることでも、子どもには難しいということがあります。
こちらの場合は、お家の方に勉強を見てもらうことか、家庭教師の方に細やかに見てもらうことが学習を定着させる上で良いでしょう。
他の教科は問題ないけれども一部の教科において、極端に解くことが出来ない場合は、学習障害(LD)も疑っていく必要がでてきます。
学習障害(LD)についての概要は以下の記事にまとめています。
友達との関係
学校における人間関係で一番トラブルが起こりやすいのは、子ども同士の関係です。
そこで、トラブルが起きる原因を書いてみます。
言葉の発達の不十分さ
「思ったことを相手に伝わるように、言葉で伝えることができるか」がポイントになります。
「嫌な思いをしても、嫌という気持ちを伝えることができない」「相手にこうして欲しいと思っても、思いを伝えることができない」という状況は子どもにとっては、寂しさを感じたり、嫌な気持ちになったりするもの。
そんなときの対処法には「嫌なことがあったら、嫌と言おうね」「嫌なことがあったら、先生に相談すること」といった、話し方の練習をすることが一つ考えられます。
誰かを思いやる意識の弱さ
子どもの中には、幼さや家庭環境の影響からか「自分が一番」という行動、言動をする子がいます。
そのような子だけではありませんが、自分のことを優先して、他の人が傷つくのは気にしない、ということは良くあることです。
学校生活の中では、道徳の時間や学校の約束を紹介する際に、相手を大切にすることが紹介・指導されていますが、今までの積み重ねは、なかなか変わらないものです。
この場合は、子どもの話を聞いてあげて、子どもに「そんなときは、こうしたらいいよ」という対処法を教えてあげつつ、学校の先生に相談すると良いでしょう。
解決は難しいかと思いますが、嫌な思いをする回数は減るかと思います。
「なんとなく」「気付いたらしていた」という衝動性
子どもの中には、特性として無意識で叩いていた、という子どももいます。
叩いた子にとっても、叩かれた子にとっても、何故叩いたか分からないという状況があるのです。
それによって、叩かれた子は「何で叩かれたの?」と嫌な思いをします。
そして、叩いたことを指導された子も「好きで叩いたわけじゃ無いのに…」と、嫌な思いをします。
その根底には注意欠陥多動性障害(ADHD)が関わっている可能性もあります。
注意欠陥多動性障害(ADHD)についての概要と支援方法は以下の記事にまとめてあります。
インターネットにも要注意
小学校の高学年になるとスマートフォンを持ち始める子どももいます。
LINEやSNSなど、学校外でも子どもたちが繋がりを持ち、それによって嫌な気持ちになってしまうこともあります。
この部分に関しては、学校側では対処できない問題になってきますので、お家で正しい使い方を身につけることが必要です。
そのためにはSNSなどを使えないようにする、フィルタリングを用いる、使用時間を制限するなど、使い方を気をつけましょう。
フィルタリングなどスマートフォンに関わるトラブル防止に関わる内容は以下の記事にまとめています。
おわりに
子どもが不登校にならないようにするために、家庭も学校も一生懸命だと思います。
何においても大切なのは、子どもの状態について知り、話を聞いてあげること。
暗い顔はしていないか、友達の話を避けようとしていないか等、子どもの様子をよく見て・聞いてあげてくださいね。
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