小学校低学年の頃にみられる不登校の中には、子どもが保護者と離れることに強い不安を感じ、学校に行けなくなることがあります。
では、それは親のせいなのでしょうか?
この記事を読むと以下のことが分かります。
- 子どもが不登校になる原因
- その解消法
親と離れる「不安」が不登校の原因と言われるが、
子どもが保護者と離れることに強い不安を感じる「分離不安障がい」が原因とされています。
しかし、その中には、学校が怖いという「社会恐怖」、友人関係や勉強のこと等を悩みすぎてしまう「全般性不安障がい/過剰不安」も原因として潜んでいることが考えられます。
加えて、全般性不安障害/過剰不安、社会恐怖、分離不安障害といった障害は、児童期の不安障害として同時に扱われることが多く(AACAP,1997;Schnieringet aL ,2000)、治療アプ ローチも類似していることが多い(e.g .Kendal1,1994)。つまり、児童の不安障害においては、各診断を完全に区別することは難しいことが指摘できる。
児童期の不安障害に対する認知行動療法の展望(石川信一 ,坂野雄二,2004)
つまり、親と離れることだけを目標とするのではなく、学校や社会との関わり方を考え、子どもが感じる不安を解消していく必要があるのです。
- 不安障害についての詳細は厚生労働省 こころもメンテしよう〜若者を支えるメンタルヘルスサイト〜(新しいタブが開きます)をご覧いただけるとよいかと思います。
子どもが持つ不安を解消するには
子どもが不安を感じているとき、解決策として「ズバリこれが良い!」というものはありません。
なぜなら、全てのお子さんの「不安の原因」や「不安の感じ方」が違うからです。
しかし、一般に以下の方法が効果的であると言われています。
- 家で十分に甘えさせる。
- 徐々に離れている時間を増やす。
- 登校に付き添う、授業中は廊下で待機する。(子どもが集中しだしたら引き上げる)
など、子どもと関わる時間を大切にすること、子どもに安心感を持たせて少しずつ離れる時間を増やしていくことが必要です。
皆さんは保育園や幼稚園に預ける際に子どもが大泣きしたことはありませんか?
その時と同じような状況になりますので、子どもの気持ちを理解して、関わっていくことが大切です。
子どもを心配するあまり、長い時間保育園に残るなどをしてしまうと、保育園や幼稚園の先生から「お母さん(お父さん等)が残っていると、子どもが落ち着かないのでお帰りください」と言われることもあるかと思います。
学校も同様に、長い時間保護者の方がいると、(他の子どもから「なんでお母さん(お父さん等)がいるの?」「どうしてなん?」といった言葉など)より不安が大きくなる原因が生まれる場合がありますので、学校内に残る場合は、ごく短時間、担任の先生に確認をとって行うようにしましょう。
おわりに
子どもが学校に行けない、行きたがらないのは、親としてとても心配ですよね。
保育園や幼稚園は入り口に先生が立っていてくれることもありますが、小学校では自分の足で進まないといけません。
その一歩は子どもにとって、緊張や不安と闘う、とても大きな一歩なのでしょう。
これからも子どもの頑張りを応援し、認めてあげるそんな日々を大切にしていきましょうね。
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参考論文
- 児童期の不安障害に対する認知行動療法の展望(展望),石川 信一, 坂野 雄二,行動療法研究,2004 年 30 巻 2 号 p. 125-136
- プレイセラピーからみた子どものこころの世界 ―初回面接を中心に―,中嶋 みどり,仙台白百合女子大学紀要,2019 年 23 巻 p. 27-48
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