子どもが欲しい、そう考えて子どもの成長に必要な栄養を調べていると、「葉酸」という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、葉酸がどうして必要なのか、また、どうやったら葉酸を効果的にとることが出来るのかを知らない方は多いようです。
そこで、今回は葉酸がどうして必要なのか、どうやったら葉酸を効果的にとることができるのか、この2点についてご紹介します。
葉酸を摂ることが推奨される理由
葉酸をとることが推奨される理由。
それは、お腹の中にいる赤ちゃんの先天的な障害「神経管閉鎖障害」を予防するためです。
神経管閉鎖障害とは、胎児の神経管ができる時(受胎後およそ 28 日)に神経管が上手くつながらない異常でこれによって、以下のような症状がおこる場合があります。
- 無脳症 ~ムノウショウ~(生まれつき、大脳が欠けてしまう病気)
- 二分脊椎 ~ニブンセキツイ~(神経が通る背骨のトンネルの一部が不完全な形になる病気。神経障害の原因になる)
- 髄膜瘤 ~ズイマクリュウ~(難病指定されている病気。神経を含んだコブが体にでき、足の麻痺や排便が上手くできなくなるなどの障害が残る可能性。最悪死亡するケースも)
これらの病気は葉酸をとることで、発症するリスクを減らすことができるのです。
葉酸はどうして、妊娠前からとった方がいいの?
葉酸は胎児の先天性の障害を防ぐためにも、妊娠前から充分にとっていくことが大切になります。
なぜ、妊娠前からとることが必要なのかというと、多くの人が妊娠を知るのは、神経管ができる時期よりも遅いためです。
妊娠は2、3ヶ月の頃に分かる方が多いと思いますが、神経管ができるのは妊娠してから28日後の頃、つまり妊娠に気付いてからでは遅くなってしまうのです。
そのため、妊娠に気づく前の段階から葉酸を十分にとっていることが大切です。
実際に妊娠前に葉酸のサプリメントを飲んでいると、神経管閉鎖障害のリスクが低くなることが数多くの研究で明らかになっています。
具体的にとった方がいい量としては、「神経管閉鎖障害を予防するためには、通常の食事に加えて、サプリメントや食品から 1日あたり、400μg(ミクロングラム)をとることが望ましい」と基準が示されています。
ただし、たくさんとれば良いというものではありません。
過剰摂取により、健康障害を引き起こす可能性がありますので、サプリメントや強化食品から 30~64 歳は1日あたり1,000μg、その他の年齢では 1日あたり900μgを超える葉酸をとるのはやめましょう。
※また、神経管閉鎖障害は葉酸不足だけが原因で起こるものではありません。葉酸のサプリメントを摂取したら、必ず予防できるというわけではありません。さらに、サプリメントを飲んでいるからといって、野菜などの葉酸を含む食品を食べなくてもよいということでもありません。
葉酸を効果的にとるにはどうしたらいいの?
1、葉酸を多く含む食材をとる

小山裕子 他 サービングサイズ栄養素量 100-食品成分順位表- 第一出版(2011)
上の表にあるように、葉酸は野菜を中心とした食材から摂ることができます。
1日での推奨摂取量が400μgですので、玉露でしたらは1日2杯を飲む程度で良いのですが、野菜を食べようと思うと、それなりに工夫しないと毎日は大変かもしれません。
また、玉露は葉酸を多く含む飲料ですが、カフェインも多く含むため、妊娠中に飲むことは避けた方がよいものになります。
一方、妊娠前には効率的に葉酸を摂取できますので、日常的にお茶を飲むことが推奨されますね。
2、葉酸のサプリメントを飲む
野菜を毎日大量に食べるのは大変ですので、手軽にサプリメントを使うことが望ましいでしょう。
現在は葉酸の認知度も上がってきており、たくさんのサプリメントが販売されていますので、ドラッグストアやインターネット通販で購入してみてはいかがでしょうか。
なお、サプリメントを使う際には、用法容量を守って、くれぐれも飲み過ぎにはご注意ください。
おわりに〜お子さんが元気に生まれてきますように〜
今回は、葉酸が必要な理由と効果的な葉酸のとり方についてご紹介しました。
実際に我が家でも妊娠前、妊娠中と妻が葉酸のサプリメントをとっていました。
他にも栄養バランスを考えたり、カフェインなどの胎児によくないものを避けたりと、子どものことを考えてくれていたことを本当にありがたく思います。
子どもが元気に生まれてくれること、それはとても幸せなことだと思いますので、皆さんもまずはサプリメントを飲むところから始めてみましょう。
皆さんと子どもの人生が良いものになりますように。
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