小学校の先生がやっている、子どもに“できる”を感じさせる勉強のみかたを紹介
小学校になると、「お家でも勉強をみて下さいね」と学校の先生から話があると思います。
しかし、「勉強をみるといっても、どうしたらいいのか分からない」、と言われるご家庭もあるのも事実。
今回は、そんなご家庭でのお悩みを解決するために、小学校で教員をしていた私が、勉強の教え方のポイントをお伝えします。
↓今回の内容はこちら
- 子どもが問題を解けない理由
- ポイント1:褒めることが出来る人は教え上手
- ポイント2:解き方を考えさせる
- ポイント3:プラス1問で振り返り
子どもが問題を解けない理由
子どもが問題を解けない理由は大きく分けて3つあります。
1つ目は問題に対する理解不足。
問題が何を言っているのかが分からない、という状況。
2つ目は問題を解くという経験不足。
解き方は一緒なのに数字が変わると解けない、という状況。
3つ目は子どもの発達の問題。
何度やっても、その学習を理解できない。
または、理解するまでに時間がかかる、という状況。
1つ目と2つ目の課題については、子どもに勉強を教えていくことで解決につながることが多いです。
しかし、3つ目の子どもの発達の状況については、数か月~数年単位の課題となる、もしくは何かしらの理由により、子どもにとって理解できない問題である場合があります。
不安に思ったら、学校や病院の先生に相談してみるとよいでしょう。
ポイント1:褒め上手は教え上手
勉強を教える時に最も大切なのは、子どもの頑張りを褒めること。
いいですか、「子どもの頑張りを褒める」です。
決して「子どもが出来たことを褒める」のではありません。
「○○が出来たね、すごい」は言葉を返すと「○○が出来なかったから、すごくない」という意味になります。
これは子どもの中で、「○○ができない私はダメだ」という、結果を第一にする考え方として育っていきます。
「○○が出来るように頑張ったね、すごい」では言葉を返すと 「○○が出来るように頑張らなかったから、すごくない」という意味になります。
これは子どもの中で 、「頑張らなかった私はダメだ」という、過程を第一にする考え方として育ちます。
小学校段階の子どもを育てる上で大切なのは、分からない問題でも、頑張ってチャレンジしてみようという気持ちを育てることです。
「おお、問題が解けた!一生懸命勉強したからだね、よく頑張った!」だとか、「最初は分からない問題でも、諦めなかったから解けたんだよ。」と頑張ったらできるんだという気持ちを育ててあげましょう。
※学習が一通り終わり、褒めた後で、後述の「プラス1問」を行い、「さすが、一生懸命勉強したからスラスラ解けたね!」等、更に褒めてあげると、子どもはきっと笑顔で学習を終えることができるでしょう。
ポイント2:解き方を考えさせる
これは、特に算数の文章問題について言えることですが、「この問題は、こうしてこうするの」と計算の仕方を教えるだけでは、問題の解き方は定着しません。
(小学校一年生で勉強に慣れていない場合や、掛け算の筆算などの技能を高めることを目的にするなら問題ありません)
「これは何を求める問題?」「分かっていることは何?」「この式は何算になるのかな?」「どうして何算にしたの?」等と確認しながら自分で考える時間を作ってあげましょう。
※1~3年生(勉強が苦手な子は高学年)では問題を解く際に、具体物(おはじきや、絵等)を使って説明させると、具体的なイメージができて理解が早まりますし、親から見てもどれくらい理解しているかが分かります。
ポイント3:プラス1問で振り返り
これは単純に問題の練習回数を増やすことを目的に行います。
なぜなら問題を解けない原因として、「練習量(問題に対する慣れ)が足りない」ことが原因の大半を占めているためです。
経験上、宿題をしてこない子どものテストの点数が悪くなりやすいのは、宿題という練習をしてこなかったことによる練習不足によるためですね。
つまり、教える上で大切なのは、同じ考えを使って何度でも取り組むということ。
そこで、オススメしたいのは、問題を1ページ(一区切り)解き終わったときに、「よし、バッチリだね。じゃあ今からお母さん(お父さん)問題を出すよ。解けるかな?」と伝え、余白に問題を書く、といったプラス1問の振り返りです。
このとき、先ほどまで子どもが解いていた問題の数字を変えるだけでよいですし、子どもが解いていた問題と全く同じでもよいです(その際は「さっきの問題と同じだけど」なんて言わない方が頑張ろうとする気持ちが出てきます)。
そして、脳科学的な話になりますが、記憶の定着を考えると、子どもが苦手としている問題は2週間以内にもう一度復習するとよいかもしれませんね。
おわりに
小学校で勤めていると「うちは勉強は気にしませんから」や「勉強は学校でみてください」というご家庭のお子さんの担任になることがあります。
しかし、そんなご家庭の中には、「私は勉強を教えることができない」という不安があるご家庭も含まれていることは事実です。
そして、その家庭の子ども達の中には、「勉強したくないな」「勉強しても意味ない」と、無気力に陥ってしまう子もいました。
(分からないから、苦手教科は勉強したくない、というのは私を含めて、皆さんも経験があるかもしれませんね )
ですが、子ども達の将来を考えたとき、そこで投げ出したくない。
そんな思いを持って私は教員をしてきました。
そんな元教員からのお願いです。
どうか、ご家庭の皆さんも、自分のお子さんの為に、本記事を参考に、家庭学習へのご協力をよろしくお願いいたします。
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