始めに
大分県の里親説明会が、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から中止となったというニュースが聞こえてきました。
「里親」というのは、どこかで聞いたことはあるかもしれませんが、その制度について詳しくご存知の方は少ないのではないでしょうか。
そこで、今回は、里親制度についてご紹介します。
里親制度って?
里親制度とは、親の病気・離婚等のさまざまな事情により、生まれた家庭で生活をすることができない子ども達を家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解をもって健やかに育てていくことを目的とした制度です。
里親制度への応募資格は特にありませんが、里親としての登録を行うためには、児童相談所との面接や、家庭訪問による調査を受けることに加えて、研修の受講が必要になります。
里親の種類は4つ
里親には、養育里親、専門里親、養子縁組里親、親族里親の4種類があります。
(1)養育里親
養子縁組を目的とせずに、保護者のいない子どもまたは保護者に監護させることが不適当であると認められる子どもを預かって養育する里親です。養育する期間は定まっておらず、一週間程度と短い期間から、長いときには成人まで養育する場合もあります。
(2)専門里親
2年以内の期限を定めて、虐待等の行為により心身に有害な影響を受けた子どもや非行などの問題行動のある子ども、及び身体障害児や知的障害時児などを育てていただく里親です。
専門里親は、養育里親よりも難しい養育であるので、専門的な研修を受けることが必要かつ、養育に専念できる環境が必要となります。
(3)養子縁組里親
保護者のない子どもや家庭での養育が困難で実親が親権を放棄する意思が明確な場合の養子縁組を前提とした里親です。
児童が6歳未満の場合は特別養子縁組制度により、裁判所の審判により、実子扱いでの入籍が可能になります(民法817条の2)。
(4)親族里親
両親その他子どもを現に養育する方が、死亡、行方不明等の状態となったことにより、これらの者による養育が期待できない子どもを三親等内の親族が養育する里親です。
里親になるための手続き(大分県の場合)
(1)里親を希望する方は、児童相談所へご相談ください。
大分県公式ホームページより
(2)家族全員の理解を得たうえで、児童相談所に里親認定登録申請を行ってください。
(3)児童相談所が家庭訪問を行い、家庭の状況等を調査します。
(4)必要な研修を受講していただきます。
(5)大分県社会福祉審議会で、里親としての適否を審査します。
(6)大分県社会福祉審議会の審査意見に基づき、知事が適当と認めた方を里親として認定・登録します。
おわりに
親と暮らせず、孤独になってしまう子どもを守るためにある制度が里親制度になります。
この制度は子どもをあたたかな家庭で育てることを目的としていますので、家業の後継者がいないから、といったような理由では使うことができません。
あくまで、子どもの健やかな成長を願うための制度ですので、お間違いなく。
そして、ニュースでは中止とありましたが、ホームページを確認したところ、中止なのはその中の一部であり、6月も説明会が行われていましたので、愛情を持って子どもを育てることができるご家庭は、応募も検討されてみてはいかがでしょうか。
参考サイト
- 大分県公式サイト 里親募集ページ(https://www.pref.oita.jp/soshiki/12480/satooya1110.html)
- 大分県公式サイト 里親募集説明会ページ(https://www.pref.oita.jp/site/jiso/30satooya-bosyu.html)
- 公益財団法人全国里親会(https://www.zensato.or.jp/)
- 厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/syakaiteki_yougo/02.html)
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