ふとした時に、過去の失敗や、昔あった嫌な出来事を思い出してしまうことありますよね。
それが悪化すると「うつ病」などの精神疾患につながることも。
その嫌なことを思い出すことから抜け出す方法について「認知行動療法」の「行動活性化」。そして「マインドフルネス」の観点からお話しします。
抜け出せず、苦しみ続けるのではなく、抜け出すための方法を学んでいきましょう。
抜け出すために必要なこと
日常生活の中で、フラッシュバックのように、昔の出来事が頭をよぎること、ありますよね。
誰しもが経験があるこのことを心理学用語で「反すう」と言います。
反すうしたことは、どれも恥ずかしかったことや、辛いことなど、心に優しくないことばかり。
それを考え続けていくと、心にストレスが溜まり続けてしまいます。
しかし、反すうは勝手に起きることなので、起きないようにすることはできません。
つまり、大切なのは、反すうから早く抜け出すことです。
そのために必要なことは以下の通り。
- 嫌なことを思い出したときは、どうするか(対処法)を考えておくこと
- 「嫌なことを思い出している」と気づくこと
- 気づいたら意識を他の物事に集中すること
- 方法を振り返ること
全ては、「私、反すうしている!」と気づくことから始まります。
詳しく対処法を見ていきましょう。
嫌なことを思い出す「反すう」に気づいたら
先ほども少し述べましたが、反すうから抜け出すために最も大切なことは、「反すうしていることに気づくこと」です。
「私、嫌なことを考えている」と思ったら、その嫌なことについて考え続けるのではなく、別のことに意識を向けることが効果的な抜け出す方法でしょう。
意識を向ける対象は、自分の心臓の鼓動、呼吸、足元の道路の質感、植物の葉っぱの形、目の前の人の白髪の数、誰かが話す内容、空の青の青さ具合、アクセサリーの色、落ち着いて考える・感じることができるものであれば何でもよいです。
他にも意識を逸らすための方法として、比較的簡単に行えるものがあります。
- 一人しりとり
- 「◯」から始まる言葉を思いつく限り出す 例:「か」から始まる食べ物…カレー、カレイの煮付け、カステラ・・・。
- 色を考える 例:あの空の色は、何色と何色を混ぜると出てきそう。あの紫は赤紫よりも赤っぽい紫
- 体を動かす
様々な方法がありますが、自分に合う方法を選択していただいてかまいません。
特に五感に関するものだと、意識を他のものに向けやすくなります。
これらの内容を試し、上手くいかなかった場合は、下にあるトレーニングの項目から、意識を他に向けるためのトレーニングを行ってみましょう。
備考:反すうが起きた時にすることを決めるために 専門家への相談
この何をしたら良いか悩んだ時には、一人で抱え込むのではなく、他の人に相談することが大切です。
中度または、重度のうつ病などに悩む方は臨床心理士といった専門のカウンセラーの方と一緒に考えることが良いでしょう。
記録を元に、カウンセラーに相談することで、どうしてそれが上手くいったのか、また上手くいかなかったのか、その原因を一緒に考えることで解決の糸口になる可能性があります。
行動ができなかったことには、何か原因があり、その原因に対して適切に対処することができれば、きっと行動できるようになりますから。
自分を責めないようにしてくださいね。
抜け出すために役立つ「心のトレーニング」4種類
自分の感覚を感じるためには「マインドフルネス」が役立ちます。
マインドフルネスにはいくつかの技法があります。
- 瞑想:目を瞑って座り、浮かんできた思考を客観的に見つめる
- 呼吸法:5秒で吸って、10秒で吐く
- ボディスキャン:目を閉じ、胸に手を当て、心臓はどう動いているか、体の中どこで不安になっているか等を感じる。
- 散歩:目に入る色、形、人、そして物体に注意を向ける。
「今、手の中の◯◯はどのような感触ですか」「今立ち止まると、何が聞こえるか」といった、五感を使ったものが多いことが特徴です。
近年、「マインドフルネス瞑想」というものを聞いたことがある人もいらっしゃるかもしれません。
これは、呼吸法に意識を向けた瞑想です。
息を吸う時の腹部の膨らみ、そして吐く時の腹部の凹み、体の動き、呼吸に集中することで雑念を減らして瞑想することができます。
概要については以下の記事を読んでください。
注意点として、このマインドフルネスのトレーニングは一回したから大丈夫というものではありません。
しかし、続けることで着実に効果が現れてくるものでもあります。
先ほど説明した他のものに意識を向ける方法と合わせて、これらのトレーニングを一日5分で構いません、継続することで他のものに注意を向ける力が高まってくることでしょう。
まとめ
この記事で扱った内容は以下の通りです。
- 嫌なことを考える思考「反すう」に対処する方法を考える
- 他のものに意識を向けて、「反すう」に対処してみる
- うまく対処できるように「マインドフルネス」のトレーニングをする
- トレーニングは一日5分継続する
思考とは他の人では止めることができないもので、自分の思考は自分で操っていくことが必要です。
「反すう」に悩まされる皆さんが、自分の「反すう」に気づき、意識を向ける先を変えてみようと何度も挑戦することを期待しています。
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