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子どもの嘔吐下痢に要注意(食中毒編)

育児・子育て
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嘔吐下痢と言えば、食中毒!

 梅雨は温度と湿度が高くなる関係で食中毒が起こりやすい時期になります。

 WHOの発表によると、2010年では一年間に、世界中で推定 5 億 8200 万人が食中毒(腸疾患)になり、このうち約 35 万 1 千人が死亡したと発表しています。
 このように、身近な食中毒ではありますが、それによって命を落としてしまうこともありますので、十分に気を付けておきたいものです。

 そこで、今回は夏に向けて気を付けるべき食中毒やその対策について紹介します。

日本では食中毒での死亡はあまり起きない?

 さて、先ほどは世界についての話をいたしましたが、日本にのみ話を絞ってみますと、死亡者数は年間平均5人ほどと、世界と比べてもかなり低い部類に入ります

 それも、日本は昔から食中毒が起こりやすい環境だったからこそ、衛生管理の技術が発達した上に、みなさんが意識して食中毒にならないように気を配っているからかもしれませんね。

 しかし、幼児や高齢者は耐性が低いため、食中毒における嘔吐と下痢の症状は危険ということはお知りおきいただけたらと思います。

カンピロバクター

 特に原因として挙げられるのは「カンピロバクター」です。
 食中毒の原因のトップであり、約9割はこのカンピロバクターが原因です。

 これによる食中毒は主に肉や加工肉によって引き起こされます。
 食中毒になる原因は、十分に火が通っていない(加熱が不十分な)まま肉を食べたことによって引き起こされます。

 夏場になると、バーベキューなど、屋外でお肉を焼いて食べるというご家庭もあるかもしれませんが、加熱には十分にお気を付けください。
 バーベキューと言わずとも、焼き肉屋でもちゃんとお肉を焼くようにした方がよいでしょうね。

腸管出血性大腸菌(O-157)

 続いては、死亡率のトップとして「腸管出血性大腸菌(O-157)」についてご紹介します。
 乳牛および肉牛におけるO-157の保菌率は11~16.8%という研究結果もあり、皆さんが口にしている牛肉も保菌していた可能性があります。
 こちらもまた、加熱が不十分なまま口にすることによって食中毒を引き起こします

 また、2012年に白菜の浅漬けを原因とする患者 109 人(死者 8 人)を出した大腸菌 (O-157)集団食中毒事件もあります。
 これは、牛糞をたい肥として使っていたけれども、たい肥の発酵が不十分でO-157が白菜に付着していたことが原因とされています。

対策(菌を増やさない、早めに食べる、火を通す)

 現在の日本では、製品を作る過程で衛生管理の規則が作られていますので、皆さんが普段口にするものに関しては大丈夫かと思いますが、先ほどのカンピロバクターと併せて考えると、菌を増やさないように冷蔵庫に入れ、早めに食べることや、よく火を通して食べることは意識した方がよさそうです。

 肉に限らず、サラダなどを食べる際にも、きれいに洗うことを第一に、できれば一度茹でてから食べるなどの工夫を行うと安全さが増しますね。

おわりに

 今回の内容はいかがだったでしょうか。
 嘔吐下痢の症状が出ている際には、水分を少しずつ飲む(ティースプーンで小まめに口にする等)ことを意識して水分補給をしつつ、感染予防の観点から、病院に連絡してから受診されるとよいかもしれませんね。

 食中毒は、日ごろから気にかけておけば、あまり起こらないものになります。
 特に作り置きのおかずや、お弁当など、菌が繁殖しやすい環境をつくらないように意識して取り組まれてください。

参考論文

  • 我が国の最近10年間における食中毒発生動向(2017)川本 伸一、日本食品科学工学会誌 64 巻 1 号 p. 1-15

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